交錯する思いの行方



     季節の巡り方を忘れてしまった
     この世界で生きていくのに必要な事なのに
     あの時 終わりが始まりを告げる――と
     一体誰が悟っただろう


     今立っている旧い道は 一体どこに続くだろうか
     すぐに新しい道が出来る事が 良い事だとは思えない
     喪失は後からやってくる
     戻る事のない現実を携えて


     奇跡は宗教的な真理の印徴しるし?
       問うを真理とするならば 問わぬもまた真理じゃないか
     ただ まだ 問うことは躊躇われる
     沈黙こたえが否定された存在もの肯定ちからを表しているようで


     心火の残渣のように一片ひとひらまた一片と闇空に舞う雪は
     とどまる事を知らない角ぐむ感情のように
     全てが眠る筈の夜降よぐだちに、鬼哭叫喚の如し吹雪へと変わってゆく
     これも これも天地の好意の引き合わせと見ろと?


     花かすむ三千世界を踏破しても
     捜しものが見つからなかったら どうすればいい?
     形のないものを言葉の枠に落としこみ 名をつけ縛りつけて
     そうしてそれを興とするべきか・・・・・・


     ・・・・・・その刹那とき
     影が本物になれたのは 必要とされていたから
     必要な時に動く事が出来たから 影は本物になれた
     まだ終わりじゃない ・・・・まだ 終わりじゃあない


     例え自らが散る花びらだったとしても
     決して散ることを惜しむまい
     散華は一瞬 しかしその薫りは永遠
     そしてそれは生も死も幻想となる時


     この地の上に星がある限り
     君は歩いていけるだろうから
     その微笑みを消さないように
     静かな静かな別れを 今 静かに告げよう